坪田信貴氏の心に響く言葉より…
死ぬ直前というのは、どんな人でも心安らかになって、みんなに感謝して亡くなっていく…といったイメージがありませんか?
しかし実際は、7割方の人は不平不満を言いながら死んでいくと、とある看護師さんから聞いたことがあります。
人は死ぬ直前にものすごく愚痴を言うし、文句も言うそうです。
「ありがとう」「みんなのおかげです」「私の人生に悔いはない」なんて言いながら死ぬというのは、幻想なのかもしれません。
何歳になったって、人間の根本なんて変わりません。
日頃文句ばかり言っている人は、死ぬ間際になっても変わらず文句を言うでしょう。
そもそも文句を一切言わないような人なんて、いないのではないでしょうか。
ところで、人が文句を言うのはなぜでしょうか。
僕は、「人が後悔する生き物で、ひたすら後悔しているからだ」と思うのです。
何歳になっても後悔しているのが人間です。
では、「後悔」しないためにはどうしたらいいのでしょうか?
それには、この後悔の連鎖をどこかで断ち切るしかありません。
どうやって断ち切るか。
それには、「今すぐ」→「後悔しないための選択肢を選び」→「やる」こと。
「やらなかった」という後悔を、なくしていくしかありません。
そう考えると、「〇歳だから、もう遅い」という言葉が、やりたくないための言い訳にしかならないことがわかりますね。
「〇歳だから、もう遅い」というのが口癖、考え癖になっている人は、延々と後悔の続く、文句の多い人生になってしまうことに、早く気づいてください。
子どもでも、70代の人でも、始めようと思えばいつだって始められます。
「すごくやりたい」と思えることがあるのなら、まずはやってみればいい。
やってみて興味がなかったら、やめればいい。
やらない理由を探している時間はもったいない。
人間というのは、一日生きている時点で、昨日より成長しています。
自分の能力(だと思えるもの)を日々少しずつ尖らせ、それを自分の「才能」にしていくことは、何歳からだってできるのです。
…この考え方で努力を積み重ねていけば、最終的には、ものすごく大きなことも成し遂げることができます。
たとえば、フィギュアスケートの四回転ジャンプや、100メートル走のタイムで10秒を切るということは、かつては「人類として無理だ」なんて言われていたことです。
しかし今では、それをクリアできる選手が何人もいます。
彼らは「無理だと言われているから」と理由で諦めなかった。
そして、練習することで、昨日より今日、今日より明日、と上を目指し続けてきた結果ではないでしょうか。
頭ごなしに「無理だ」と思って、挑戦することをやめてしまっていたら、これはあり得ません。
「やらない理由」が立ちはだかっても諦めきれなかった人だけで、奇跡を起こせるのです。
《「やらない理由」を探すのをやめましょう。いつからだって、何歳からだって、始められます》
『才能の正体』幻冬舎
学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶応大学に現役合格したという、映画化もされた「ビリギャル」という本がある。
そのビリギャルのさやかちゃんを教えたのが坪田氏。
坪田氏は、「才能がある」とか「地アタマがいい」と言われている人は、すべて、結果がでたからこそ、そんなふうにいわれるという。
さやかちゃんも「元々、才能があったからなんでしょう」といわれたそうだ。
人は、結果からしか判断しないし、その結果から遡(さかのぼ)って勝手に都合よく物語(ストーリー)を作ってしまう。
逆に、結果が出なかったら(どこの大学も受からなかったとしたら)、「地アタマがよかったからだよ」とは決して言われない。
また、坪田氏は、「やればできる」という思考は「結果至上主義」であって、その結果が手に入らないとわかった瞬間に、やることそのものをやめてしまうという。
こういうときに使うべき正しい言葉は「やれば伸びる」。
人は、一日努力すれば、やったぶんだけ必ず伸びる。
昨日より今日、今日より明日と成長していくからだ。
だからこそ、続けることが大事だと坪田氏は言う。
人は、「いつからだって、何歳からだって、始められる」という言葉を胸に刻みたい。